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夏山登山に向けたトレーニング/山ガールスタートマニュアル

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掲載日:

2017年06月23日

ボディ・ヘルスケア

いよいよ夏山シーズンの到来。富士山やアルプスなどの3,000m級の登山にチャレンジしてみようという方も多いのではないでしょうか?今回は、この夏、高山を目指す方のためのトレーニング法をお教えします。

まず知っておいて欲しいこと

毎年、登山での遭難事故は増加しています。長野県警が発表している山岳遭難発生状況をから遭難者の年代を見てみると、平成28年は60歳以上が45.5%と最も高いことがわかります。しかし、40歳代~50歳代も29.7%、10歳代~30歳代も24.8%であり、若年者の遭難も少なくはありません。
そして遭難発生件数を月別に見てみると、8月が最も多く、次いで7月、5月の順となっています。登山中の事故は誰にでも起こる可能性があり、そして夏山で起こりやすいのです。本格的な夏山シーズンを迎える前に、自身の現在の体力をしっかり見極め、日頃からトレーニングを行うことが大切です。

3,000m級の山を目指すために日頃から行うべきトレーニング

登山だけで体力や筋力を維持する場合、月に3回以上、登山に行かなくてはならないことがわかっています。
しかし、日常生活が忙しかったり、登山を計画しても天候が悪かったりして、思うように登山を行えないこともあります。
アルプスの中には、車やロープウェイなどで高度を上げる山もありますが、長時間の活動が必要な山が多いです。長時間の登山を可能にするためには、身体の筋肉を効率よく使うことが大事です。中でも重要なのが、太ももとお尻の筋肉です。特に弱く使えていない人が多い部位が、太ももの後ろ側のハムストリングスとお尻(臀筋群)です。3000m級の登山を目指す人はもちろん、その他の人もその部分は重点的にトレーニングしましょう。

ここでは、登山で必要な筋力を維持・増進していくための、効果的なトレーニング方法をお伝えします。トレーニングの効果を高めるためには、鍛える筋肉を(1)ほぐす(筋膜リリース)、(2)伸ばす(ストレッチ)、(3)鍛える(トレーニング)、ことが重要です。自分の体の弱点を見つけ、それに合った方法を実践しましょう。

<平日編>室内でできるトレーニング “クライムビクス”

まずは、登山で必要な筋肉を室内トレーニングで鍛える方法“クライムビクス”のご紹介です。
登山は、日常生活のウォーキングよりもゆっくりとした動きの場合が多いです。そのため、トレーニングもゆっくりとした動作で行うことが大事です。また、ゆっくりと行う方が、筋力トレーニングとしては効果があります。スローテンポの音楽に合わせて、登山に必要な筋力をトレーニングしましょう。

■腸腰筋のトレーニング
▼1.姿勢よく立ちます。

▼2.片方の脚を2秒かけて腰の高さまで上げ、2秒かけて下ろします。反対の脚も同じように行います。左右交互に10回行いましょう。

■呼吸筋のトレーニング
▼1.両手を広げて立ちます。

▼2.顔は正面に向けたまま、体だけををねじります。左右交互に10回行いましょう。

■僧帽筋のトレーニング
▼1.姿勢よく立ちます。

▼2.肩甲骨周辺などの背中の筋肉が動くのを意識しながら肩を上げます。

▼3.肩甲骨を引き寄せる感じで肩を回します。1~3の動作を10回行いましょう。

■大腿四頭筋のトレーニング(※特に重要)
▼1.手を腰に当てて立ちます。

▼2.椅子に座るようなイメージで腰を落とします。膝がつま先よりも前に出ないように注意しながら10回行いましょう。

■内転筋のトレーニング
▼1.姿勢よく立ちます。

▼2.片脚を斜め45度くらいに出します。

▼3.踏み出した脚に体重をかけます。左右交互に10回行いましょう。

■ハムストリングスのトレーニング(※特に重要)
▼1.姿勢よく立ちます。

▼2.片脚を一歩前に踏み出します。

▼3.ゆっくりと腰を落とします。左右交互に10回行いましょう。

■臀筋のトレーニング(※特に重要)
▼1.姿勢よく立ちます。

▼2.スクワットと同様に腰を落とします。

▼3.頭を前に出して上体を倒します。1~3の動作を10回行いましょう。

■下腿三頭筋のトレーニング
▼1.姿勢よく立ちます。

▼2.その場でつま先立ちを行い、10回繰り返します。

■足底筋のトレーニング
足の指でじゃんけん(グー・チョキ・パー)を繰り返します。

<休日編>低山でできるトレーニング

続いては、身近な低山でできるトレーニング法をご紹介します。
低山であれば、少し頑張って速い速度で歩くことや、エネルギー摂取が十分でなくても歩くことができるかもしれません。しかし、3000m級の長時間登山では、ペース配分やエネルギー補給が、登山を快適に行えるかどうかを決めます。また、3000m級の山行では宿泊を伴うこともあり、2日間以上に渡る登山になると、低山の日帰り山行よりも荷物重量が増えます。そのため、3000m級に挑戦する前には、低山で「3000m登山シミュレーション」を行うことが大事です。

3000m登山シミュレーションでは、(1)日帰り登山の装備よりもザック重量を増やしてみる、(2)無駄な筋肉を使わない省エネ歩行を心がけてゆっくり歩いてみる、(3)エネルギーと水分補給を細かに、できれば歩きながら行ってみる。この3点を試してみることをお勧めします。

また、3000m級の登山を行う際は、自身のペースで歩いた場合に、コースタイムのどれくらいで歩き切れるかを知っておくことが必要です。登山の地図上に示してあるコースタイムは、1時間あたりの登高速度が約300mで計算されています。低山山行の際に、自身が歩いている通常の登高速度や、1時間あたり約300mの登高速度で行動した場合の疲労感などについても経験しておくことをお勧めします。
セイコーウオッチの「Seiko Prospex Alpinist」は行動中の登高速度を表示する機能が付いているため、登山中のペースを判断する際に目安にすることができ、とても役に立ちます。

トレーニング後の疲労回復

翌日に疲労を残さないために、トレーニング後は回復に努めることが大事です。トレーニング2時間以内に糖質とタンパク質を摂取すると、筋肉に蓄えられているグリコーゲンの回復が早いと言われています。その際、タンパク質の中に含まれるアミノ酸を効率良く吸収するためには、体内への吸収スピードが早い「amino VITAL」等のサプリメントを摂取することがお勧めです。

文・監修:健康運動指導士 安藤 真由子

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