山ガールおすすめトレッキングスポット特集 今年こそ、世界遺産の頂へ! 富士山

Step3 当日登頂編 さあ、憧れの富士登山へのチャレンジ

さあ、バスに乗って五合目に着いたら、もうそこは雲の上。
眼下に広がる雲海を楽しんだら、これから目指す頂上を見上げてみましょう。
はじめは雲に覆われていて見えていなくても大丈夫。富士の天気は目まぐるしく変化します。まずは、登るための準備をしっかりしましょう。

五合目に着いたら

バスから降りると出発前の暑さが嘘のように感じることでしょう。長袖シャツやジャケットを羽織るなど、体を冷やさない工夫をしてください。
登山ツアーの場合、五合目に着いたら食事をして、準備を整えたら登山開始という流れが一般的です。憧れの富士登山ですから一刻も早く登りたいと思うかもしれませんが、ここで焦ってはいけません。焦ってはいけない理由があるのです。それは、焦って登ると高山病になるリスクが増えるからです。

高山病は、体内を流れる赤血球中のヘモグロビンが運ぶ酸素の量が少なくなることによって起こります。ヘモグロビンは気圧の変化により数が少なくなり、高度が高くなればなるほど少なくなります。しかし、同じ気圧条件であっても、時間が経過するとともにヘモグロビンの数が増え、酸素を多く運べるようになります。

五合目に着いたら最低1時間はゆっくり過ごし、登山を開始しても、はじめの1時間程度は意識的に時間を掛けて登ることが大切です。

五合目に着いたら最低1時間は休憩。登り始め1時間はゆっくり歩こう。

登る前のアルコールは控えましょう。高山病の原因となります。

高山病にならないために

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高山病は、高所に順応できない身体の叫びです。高山病を発症するタイミングには個人差がありますし、高山の経験者であっても発症します。頭痛、ふるえ、吐き気、胸の痛みなどの症状が出はじめたら迷わず下山しましょう。

経験者でも起こってしまう高山病ですが、対策はあります。主な高山病対策としては、下記のようなものが挙げられます。

  • 睡眠をしっかりとって登る。
  • ゆっくり登る。
  • 深呼吸をするなど、十分に酸素を摂りながら登る。
  • 水分の補給をしっかり行う。
  • 山小屋に着いてすぐには寝ない。
  • アルコールを控える。

山小屋での過ごし方

山小屋に着いたら、自分が寝る場所を確認しておきましょう。夏の登山シーズンでは、1人布団1枚分程度のスペースしか与えられませんので、少々窮屈な思いをすることになります。消灯後に自分の位置が分かるように何か目印をつけておくといいでしょう。また、シューズにも目印を付けておくと、同じようなシューズの中からすぐに自分のシューズを見つけることができて便利です。

汗で濡れた服を着替えたり、夕日を眺めたり、しばしの間自由な時間を楽しんでください。

そうしているうちに夕食の時間になります。夕食は交代制で次々と登山客が食堂スペースに集まってきますので、あまり長居はせずに食事が済んだら席を譲りましょう。

食事が済んだら、仮眠後の登山に備えてしっかりと準備しましょう。

消灯後は明かりをつけて荷物の整理というわけにはいかなくなりますので、早めに準備に取り掛かりましょう。また、就寝後に携帯が鳴ってしまうことがないように、電源を切るかマナーモードにしておきましょう。

山小屋の多くは、21時には消灯し、翌午前1時ごろからご来光に向けての出発に対応してくれます。

シーズン中の山小屋は大混雑。自分勝手な行動はやめよう。

到着してすぐ寝るのは高山病の原因になりますので我慢しましょう。

山小屋のトイレ事情

各山小屋にはトイレが設置されています。トイレは、基本的に男女別になっており、環境を保護するための費用を利用者が負担するチップ制となっています。最近の富士山のトイレは、バイオトイレや循環式水洗トイレ、簡易水洗焼却型トイレなどが設置され、環境へ配慮されるようになってきました。そのため、使用する紙も、水に溶けるトイレットペーパーを絶対に使用しなければいけません。有料だからといってトイレットペーパーが必ず備え付けられているというわけではないので、水に溶けるティッシュを各自用意していきましょう。

特に女性の場合は、日程によっては生理中に、もしかすると体が標高にびっくりするなどして登山中に生理になってしまうかもしれません。本来ならば、生理期間と重なると分かっているときは、トイレの場所も限られていますし、お風呂に入れないことも考慮すると、登山日程自体を変更するのが望ましいでしょう。しかし、万が一、生理中に登山することになっても、生理用品は絶対にトイレに捨ててはいけません。ここでも出したゴミはすべて持ち帰るというルールが適用されていますのでご注意を!生理用品のゴミは臭いも気になりますので、密閉できるビニール袋を忘れないでください。

トイレはチップ制なので、予め小銭を用意しておこう。

万が一を考えて生理用品やビニール袋を用意しておこう。

高山病にならないために

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登山のマナーといえば、「自分で出したゴミは各自持って帰る」は基本中の基本ですが、「とっていいのは写真だけ」というルールもあります。例えば、富士山には珍しい高山植物がたくさんありますが、見たり、写真を撮ったりするのは自由ですが、絶対に採取してはいけません。動物や昆虫も同じです。また、富士山の溶岩の持ち出しも禁止されています。富士山麓は、富士箱根伊豆国立公園に指定されているため、自然公園法により土石や植物の採取を無許可で行うことが禁止されています。富士山はパワースポットとしても人気がありますし、登山の記念に持ち帰りたいと思ってしまう人もいると思いますが、自然を大切にする心も登山者の心得として学びましょう。

富士山に限らず、登山する際のルールとしては、下りより登りが優先というルールもあります。吉田ルートの場合は登山道が広いうえ、登りと下りのルートが別々になっている個所もあるため、さほどすれ違うことはありませんが、すれ違いが発生した場合には、登山者同士、ゆとりをもって譲りあいましょう。

登山道を外れることも絶対にしてはいけません。一見すると近道に見えても、道を外れることで落石を引き起こしたり、道に迷ったりするなど危険が伴います。万が一、登山道を外れてしまった場合でも、先へ進まず、もと来た道を引き返しましょう。

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