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ノウハウKnow-how

登山における紫外線対策

掲載日:

2019年06月17日

ボディ・ヘルスケア

登山をする女性にとって紫外線対策スキルは必須のノウハウ。
今回は、スポーツを楽しむ女性たちの美をサポートする、一般社団法人日本スポーツビューティ協会の代表理事 橋本ワコさんと、公認スポーツビューティスト 並木弥生さんに、登山をする女性のための紫外線対策法を教えていただきました。

山での紫外線量はどのくらい?

山での紫外線量は、平地よりも標高が1000m高くなるごとに、紫外線が10%ずつアップするといわれています。
富士山のような3,000mを超える山に登ると、なんと平地と比べて30%も多い紫外線を浴び続けることになるのです。

・残雪地帯や森林限界を超えた稜線は特に注意を!
紫外線は頭上から降り注ぐものだけではありません。地面にあたって反射した紫外線にも要注意。
特に雪面(新雪)は約80%もの紫外線を反射するといわれています。森林限界を超えた雪のない稜線でも約10%の照り返しを受けます。

・曇っていても油断禁物
晴れの日を100%とすると、曇りの日でも90~60%は紫外線は降り注いでいます。
「今日は曇りだから日焼け止めはいらない」というのは大間違い。曇りの日もしっかり紫外線対策を行いましょう。

紫外線がもたらす身体へのダメージ

紫外線は、シミやシワ、たるみなど、肌の老化リスクを高めるという研究結果が出ています。また、皮膚がんや目の病気の原因になったり、体内の免疫力を低下させるという結果もあるほど。
「今さらケアしても・・・」と思わずに「今からでも!」と、紫外線対策をしていくことが必要なのです。

登山に適した日焼け止めの選び方

紫外線は波長によって、「UV-A」「UV-B」「UV-C」に分類されます。このうち、「UV-C」はオゾン層によってほぼ吸収されるため、「UV-A」「UV-B」への対策が必要です。

登山用として使用する日焼け止めを選ぶ際は、標高や活動時間に応じて、SPF30~50+、PA++~PA++++の範囲でセレクトするとよいでしょう。購入の際に、サンプルなどでパッチテストをするとトラブルなく使用できます。

「過酷な環境にも耐える」をコンセプトとした日焼け止め
花王 ビオレUV アスリズム

2タイプありますが、どちらも日焼け止め特有の「重たい感じ」がなくて軽やかなつけ心地。
特にエッセンスは、肌のつっぱり感がなく、お顔に使うとしっとりツヤツヤのぷりぷりになるので、今、一番のお気に入りです。
使用してから、120km、30hのトレランレースに出ても、日焼けを妨げるのが嬉しいです。
日焼け止めには保湿効果も重要。日焼け防止と、しっとりを実感出来る日焼け止めはなかなかありません。
唇や髪の毛など、肌に塗るタイプでカバーできない部分は、リップタイプやスプレータイプの日焼け止めで補いましょう。

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登山における最強日焼け止め活用術

登山の場合は、「登山前」「登山中」「登山後」の3ステップが大事です。
お出かけ前から紫外線対策は始まります。

日焼け止めは通常量の3倍を目安に。顔に塗る際は、3回程度に分けて塗ると、ムラになりにくく、スムーズにケアすることができます。中指と薬指を使って、ほほ(右、左)、鼻(上→下)、額(右、左)を中心に、伸ばします。特に焼けやすい頬や鼻先には多めに乗せるような気持ちで。その後、手のひら全体を使って押さえ込むように、塗っていきます。こすらないように気を付けて!

顔にまんべんなく日焼け止めを塗った後は、同量の日焼け止めを追加して、首の前面、首筋、あごの下(地面からの照り返しがあり日焼けしやすい)耳の後ろまで塗りましょう。まんべんなく、均一に塗るのがポイントです。

さらに、小豆大の量を手の甲に乗せ、日焼けしやすい頬や鼻先に二度塗りします。

パウダーファンデーションまたはフェイスパウダーを軽くなじませ、テカリを抑えましょう。UV効果があるパウダーなどをプラスすると一層効果的。

登山中はとにかくこまめに塗り直すことが大事。休憩のたびに塗り直しを行いましょう。汗を大量にかいている場合は、汗ふきシートなどで汚れや余分な皮脂を軽くふき取ってから塗ると効果的。
しっかりと塗り直すためにも、リュックサックのポケットなど取り出しやすいところに、小さい鏡を携行しておくと便利です。
また、水が使えない山小屋では、クレンジングシートなどでその日の日焼け止めをしっかりと落とし、次の日に塗り直しましょう。

山に行くとたまに歩きながら日焼け止めを塗っている方を見かけます。
転倒や滑落の恐れがありますので、絶対にやめましょう。

下山したら、まずは顔を冷やしましょう。赤くなっていてもいなくても、過酷な環境にさらされた肌のほてりを取るのが大事なポイント。まずは、冷たい飲料水が入ったペットボトルや缶で冷やしてあげるとよいでしょう。
帰宅後は濡れたタオルを冷凍庫で冷やしたもので1分ほど、顔を冷やすのもよいですし、冷えているシートマスクでケアするのもGOOD!
また、その日だけ重点的に肌ケアをするのではなく、毎日のケアを心がけるのが大事!
肌あれなどを放置せずに、自分の肌と向き合っていくことが肌のためにも、心にも良いはずです。

山小屋で日焼け止めを落とした後は、しっかりと保湿をしましょう。
シートマスクはもちろん、コットンにたっぷりと化粧水と乳液を染み込ませたものを密閉式の袋に入れていくと、軽くてかさばらないので便利です。

おすすめ日焼け対策グッズ

▼ 日焼け止め
登る山に合わせて、SPF30~50+、PA++~PA++++の条件をクリアしているものを選ぼう。汗、水、擦れに強いものをセレクト。


▼ 帽子
紫外線対策を考えるなら帽子はハットタイプがおすすめ。
風で飛ばされないようにあご紐が付いているものを選ぼう。
雨の可能性がある山行なら防水透湿素材のものを持って行きましょう。


▼ サングラス
UVカット機能が付いた偏光レンズを使用しているものがおすすめ。
サングラスは紫外線だけでなく、砂や埃からも目を守ってくれます。

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▼ アームカバー
Tシャツと組み合わせることで温度調節がしやすいアームカバー。
接触冷感、吸湿速乾、UVカット機能が備わったタイプを選ぼう。


▼ ネックガード
吸湿速乾、UVカット機能はもちろん、多用途に使えるタイプが便利。

執筆・監修

橋本ワコ(写真右)
スポーツビューティ・アドバイザー
一般社団法人日本スポーツビューティ協会 代表理事
パフォーマンスだけでなく「スポーツする姿も美しく」を、waco流「スポーツビューティ」のモットーとし、スキンケア、メイクアップ、ウェアコーディネート、3つの柱で構成される、独自の「スポーツビューティ」を提唱中。また、本人も百名山登頂を目標に持ち、登山する女性のための山フェイスケアもアドバイス。

並木弥生(写真左)
看護師・ヨガインストラクター
一般社団法人日本スポーツビューティ協会 公認スポーツビューティスト
山が好きでトレランに夢中になり海外レースに参加するほどに。
看護師の知識や自身のスポーツ経験を活かし、健康で楽しく安全にスポーツを楽しめるように、アスリートヨガや女性のためのスポーツ講座、レースの対策講座で活躍中。

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