30秒チャレンジ!登山知識ミニテスト Vol.6
- 掲載日:
2017年07月23日
登山知識・技術
30秒で気軽に登山知識をテストしてみよう!問題は「山の知識検定」の過去問題より出題しています。
チャレンジ問題
次の谷や沢についての用語の説明のうち、誤っているものを選びなさい。
- 沢の上流から下流を見たとき、右側を右岸、左側を左岸と呼ぶ
- 沢の支流が本流に注ぐ地点を出合という
- 沢の下流から上流を見たとき、右側に別れた沢を右俣、左側を左俣と呼ぶ
- 氷河によって削られた深い谷や沢を圏谷と呼ぶ
- 答えと解説
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- 氷河によって削られた深い谷や沢を圏谷と呼ぶ
圏谷とは、氷河によって山肌が削られてできたU字状や馬蹄形状の地形をいう。右岸、左岸の呼び方は、「昔、上流に住む人たちが、暮らしに必要な物資が下流の町から舟で運ばれてくるのを、川を見つめて待ちわびた」ことから川の上流を起点にしたとの説がある。
ショックが起こったときの誤った対処法を次のなかから選びなさい。
- 意識があって、本人が欲しがれば飲み物や食べ物を与えてよい。
- ショックは一過性なので、身体を揺すって目を覚まさせて元気づける。
- 体温が急激に低下した場合は、レスキューシートなどにくるみ保温に努める。
- 心肺停止蘇生法、止血はショック症状の改善に優先して行う。
- 答えと解説
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- ショックは一過性なので、身体を揺すって目を覚まさせて元気づける。
ショック症状を起こしている人は、症状が回復するまで原則として移動させない。搬送に際しては、症状悪化を防ぐためにできるだけ静かに搬送する。
次の項目うち、低体温症を引き起こす潜在的要因でないものを選びなさい。
- 激しい疲労
- 脱水症状
- 高所
- 肥満
- 答えと解説
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- 肥満
低体温症の三大要因とされるものは、「風」、「濡れ」、「低温」であるが、この三大要因がそろえば必ず低体温症になるわけではなく、選択肢中の要素もリスクを高めるので、早めに適切な対策を講ずることが重要である。
ふだん標高の低い所で生活している人が標高の高い所を訪れた際に起こるのが、「急性高山病」である。 急性高山病は、2500m以上の地域で発症の可能性があると言われているが、その対処方法のうち、 誤っているものを選びなさい。
- 充分に休息して、安静にする
- 水分はなるベく摂らない
- アスピリンなどの非ステロイド系鎮痛解熱剤を服用する
- 宿泊地の標高を下げる
- 答えと解説
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- 水分はなるベく摂らない
脱水は高山病の症状を悪化させるので、水分は意識的に充分摂るよう心がける必要がある。
すり傷と切り傷は山でもっとも負いやすい怪我である。山で負傷したときの対応として誤っているもの を選びなさい。
- 出血していたら、ガーゼや清潔な布で患部をおさえて圧迫止血する。
- 水の入ったビニール袋やペットボトルに穴をあけ、絞るようにして汚れを落とす。
- 布に血液がしみた場合は、はがすと再出血することがあるので、布を上に重ねる。
- 傷口を洗い流すときは、沢水を使っても構わない。
- 答えと解説
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- 傷口を洗い流すときは、沢水を使っても構わない。
ー見、きれいに見える水でも雑菌がいて清潔ではないので避けた方が無難である。
特に、北海道ではエキノコックス症という寄生虫が主に肝臓に寄生して起こる病気があり、この卵が沢水に含まれている場合もある。
山では動植物による事故も多くなっているが、次の記述のうち誤りを選びなさい。
- 秋になるとスズメバチが攻撃的になる。刺されると激痛だけでなく、ショック症状にもなり死に至る場合もある。黒色の着衣、帽子は攻撃されやすい。
- 仲間がマムシや蜂に刺されたときは、すばやく患部に口を当て毒を吸い出して全身に毒がまわるのを防ぐ。
- 春〜秋の中低山では山ヒルの被害が多い。噛まれたら無理に引き離さず、ライターの火であぶって落とす。煙草を吸わなくてもライターは必携アイテムである。
- きのこ、山菜には猛毒のものもあり、生半可な知識は命を落とす。他人にも中途半端に教えてはいけない。図鑑でも区別がつきにくいので、経験者に教えてもらうのがよい。
- 答えと解説
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- 仲間がマムシや蜂に刺されたときは、すばやく患部に口を当て毒を吸い出して全身に毒がまわるのを防ぐ。
仲間を救う気持ちは大切だが、口から吸うのは危険である。口中の傷や虫歯、睡液などからの感染の恐れがある。 ビニール手袋をして絞り出すか、できればポイズンリムーバー (ポンプ式吸い出し器) を携帯することが必要である。
次の富士山の気象に関する記述のなかで誤っているものをひとつ選びなさい。
- 山頂付近に発生する笠雲や吊雲は天気が変わる兆しである。
- 1年を通じて北風が吹いている。
- 富士山頂の平均風速は最も穏やかな8月でも7.4m/sある。
- 富士山頂における8月の最低気温は3.6°Cで、東京の真冬並みの寒さである。
- 答えと解説
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- 1年を通じて北風が吹いている。
富士山頂は標高が高いので、偏西風の影響を受けて、1年を通じて西北西ないし西風が吹いている。
仮に8月に富士山頂でご来光を待つ場合、最低気温と平均風速から計算すると体感温度は優に 氷点下を下回っていることが分かる。
周りを九重連山の名峰に囲まれ、坊がつるを眼前にすることができる九州最高所の温泉を次のなかから選びなさい。
- 雲仙温泉
- 由布院温泉
- 筋湯温泉
- 法華院温泉
- 答えと解説
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- 法華院温泉
法華院温泉にある法華院温泉山荘は、鳴子川が坊がつるに流れ出す場所に位置し、標高1303kmの地にある。鎌倉時代を開基とする九重山法華院白水寺として栄え、天台宗の一大霊場であったが、明治時代になり信仰の山から登山の山へと変化する中で、山の宿として再出発したものである。
甲斐駒ケ岳本峰の東南方向に位置する属峰で、数百メートルに及ぶ垂壁をめぐらせた岩峰の名前を次のなかから選びなさい。
- 弁財天
- 摩利支天
- 帝釈天
- 大黒天
- 答えと解説
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- 摩利支天
日本の山岳信仰の対象となった山の一峰を「摩利支天」と呼ぶことが多く、甲斐駒ヶ岳以外でも、御獄山、乗鞍岳にその例が見られる。 「甲斐国史」には、山頂に駒形権現、馬頭観音と摩利支天が祀られていたと記してあり、よく目立つ大きな分嶺を摩利支天と呼んだと思われる。 摩利支天は、本峰よりも150kmほど低いが、属峰としての存在感では日本の山の中でも有数であると言える。
南アルプス北部に位置する一峰で、三つのカールを擁し、女性を思わせるなだらかな山容から 「南アルプスの女王」と呼ばれる山を次のなかから選びなさい。
- 甲斐駒ケ岳
- 北岳
- 薬師岳 (鳳凰三山)
- 仙丈ヶ岳
- 答えと解説
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- 仙丈ヶ岳
本峰に加え、北東に小仙丈岳、南西に大仙丈岳の三つのピークから成り、大仙丈岳からは塩見岳に至る長大な仙塩尾根が連なっている。 高山植物が非常に豊富な山としても知られ、花の百名山にも選定されている。
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