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登山後の疲労回復法/山ガールスタートマニュアル

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掲載日:

2017年09月26日

ボディ・ヘルスケア

登山後の効果的な疲労回復法について、運動生理学の専門家にご説明いただきました。

下山後の栄養補給

長時間の登山中は、体内でエネルギーを作り続け、筋肉は絶えず動き続けています。そのため、下山後は少なからず疲労が蓄積しています。下山後、速やかに疲労回復を行うことが、翌日まで疲れを残さないために重要なことです。下山後には、美味しい食事、ビール、そして温泉を楽しみにしている人も多いと思います。これは疲労回復としては効果があるのでしょうか?

下山後に美味しい食事とビールを求めて移動することがあると思います。下山後に食事を取るまでの時間は、どのくらいでしょうか。疲労回復方法の一つ目は、下山直後の栄養補給です。

登山を継続するためには、食事からエネルギーを補給する必要があります(登山における効果的な水分補給と栄養補給参照)。エネルギー補給として、糖質が足りなくなると筋肉や肝臓内の糖質を分解してエネルギーを作り出します。北アルプスの北穂高岳を1泊2日で登山した前後の疲労度合いを測定した報告があります。それによると、下山後には体の疲労度合いを表す、尿比重が全員で高くなったということです。尿比重の増加は、筋肉を分解されたことや、脱水をあらわしますが、1泊2日の登山でも体は疲労していることが明らかとなっています。

登山中に分解された筋肉を速やかに回復させるためには、下山直後に糖質とタンパク質を摂取することが有効です。運動直後にタンパク質を摂取したグループAと、運動終了3時間後にタンパク質を摂取させたグループBを比較すると、グループBは、体内のタンパク質量をもとの状態に回復させることができなかった、と報告しています。また、運動直後に糖質を摂取したグループCと、運動終了2時間後に糖質を摂取したグループDを比較すると、筋肉内の糖質(グリコーゲン)の回復が、CはDよりも約3倍だったと報告されています。

このことをまとめると、下山後はできるだけ早く、糖質とタンパク質を摂取することが大事です。タンパク質補給にはamino VITALでの補給もお勧めです。

また、ビールは脱水を促進させたり、乳酸の除去を遅らせたりするため、下山直後はお勧めしません。水やスポーツドリンクなどで、水分と電解質をしっかり摂取した後で飲むようにしましょう。

<<登山後の疲労回復法 その1>>
下山後はできるだけ早く、糖質とタンパク質を摂取すること!!

下山後のアイシング

登山と合わせて計画されることが多い、下山後の「温泉」。登山でかいた汗を流すことは気持ちいいことです。しかし、その入り方で疲労回復効果が変わってきます。登山で疲労した筋肉を下山後は「冷やす」ことが疲労回復には重要です。筋肉を冷やすことを「アイシング」と言いますが、スポーツ界では常識的なこととされています。最近ではサッカーやラグビーの会場にアイスバスと呼ばれる水のプールを持ち込むチームもあり、ハーフタイムや試合終了時に体を冷やしています。

下山後は温泉で温まるだけではなく、冷水浴ができる場合は、疲労している脚から腰までを中心にアイシングをすることをお勧めします。冷水の浴槽がない場合は、冷たいシャワーを足などにかけることでもいいですが、水圧による疲労回復効果も大きいので、できれば冷水浴がある場所を見つけると良いでしょう。下山後に沢などがある場合は、脚を入れてもいいと思います。

アイシングの効果
1.血管を急速に収縮させ、内出血や炎症を防ぐ
2.疲労した部位の血流量や新陳代謝を低下させることで、周辺の組織への疲労拡大を防ぐ
3.痛感神経を麻痺させる
4.筋内細胞の活動を低下させる

<<登山後の疲労回復法 その2>>
下山後は「温める」のではなく「冷やす」こと!!

筋膜リリース

筋肉の表面は、「筋膜」という薄い膜で覆われています。運動によって筋肉の活動が多くなると、筋膜が縮んで硬くなり、筋肉に癒着して筋肉の動きを妨げることがあります。筋膜が癒着すると、ストレッチによって筋肉を伸ばしても効果が薄くなります。そのため、登山後は筋膜の癒着を取る(筋膜リリース)ことが大切です。

筋膜自体は圧力をかけると自然に解放する働きがあります。テニスボールなどの少し硬いボールを、疲労している部分に当て、体重をかけることで筋膜リリースができます(※下記画像参照)。1箇所につき30秒程を目安に行います。動かすのではなく、自然に体重をかけるだけで筋膜リリースが可能です。

<<登山後の疲労回復法 その3>>
筋膜リリースで筋膜の癒着を取ること!!

リカバリータイツ

下山後は、車や電車などで自宅まで帰宅すると思います。疲労したふくらはぎは、下肢に溜まった血液を心臓に戻す力が低下しています。そこで、下肢のサポートタイツを着用することが効果的です。実際に、下肢サポートタイツを着用すると、着用しなかった時よりも筋肉痛が少なかったという研究もあります。

▼おすすめのタイツ
C3fit トレーニング コンプレッション マグフローゲイター(ユニセックス)

<<登山後の疲労回復法 その4>>
帰宅時にリカバリータイツを着用すること!!

参考文献

1)林綾子ら:北アルプス登山活動の身体負荷と回復過程に関する研究. 登山医学, 33: 45-50, 2013
2)D.K. Levenhagen et al.: “Post exercise nutrient intake timing is critical to recovery of leg glucose and protein homeostasis”. American Journal of Physiology 280: 982-993, 2001.
3)J.L.Ivy et al.: Muscle glycogen storage following different amounts of CHO ingestion.J,Appl.Physiol.65:2018-2023,1988
4)S. Perrey et al.: Graduated compression stockings and delayed onset muscle soreness(ISEA Conference, Biarritz). In The Engineering of Sport 7: 547-554. 2008

文・監修:健康運動指導士 安藤 真由子

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