30秒チャレンジ!登山知識ミニテスト Vol.7
- 掲載日:
2017年08月04日
登山知識・技術
30秒で気軽に登山知識をテストしてみよう!問題は「山の知識検定」の過去問題より出題しています。
チャレンジ問題
ウェアをアウター、ミドル、ベースの3グループに分けて重ね着して、天候や活動量に応じて脱ぎ着することで、温度調節を行ってウェアの性能を発揮させることの呼び名を次のなかから選びなさい。
- ウェアリング
- リムービング
- フィッティング
- レイアリング
- 答えと解説
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- レイアリング
アウターレイヤーは防水・防風を、ミドルレイヤーは保温を、ベースレイヤーは吸汗・保温を主な目的としており、ウェアにはそれぞれに最適の機能を持つ素材が使われている。最近では、さらに細分化し、5レイヤーを提唱しているメーカーもある。
伸縮型の登山用ストックの説明のうち誤っているものをひとつ選びなさい。
- T字型グリップは、上から確実に握れるので、起伏にとんだ地形に有効である。
- 4段タイプのストックは3段のものよりも格納長が短く、コンパクトになる。
- シャフトは先端部から順に固定し、最後に目盛りで自分にあった長さに合わせる。
- 回転摩擦固定式のストックの長さを調節するときは、シャフト部分を持ち、素手でおこなうのが良い。
- 答えと解説
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- T字型グリップは、上から確実に握れるので、起伏にとんだ地形に有効である。
起伏にとんだ地形に対して有効なストックは、ストレート形状になっていて腕が広く使えるI字型のものとされる。シャフトの長さ調節は、先端部から固定することでストック全体のバランスが良くなり、軽く感じる。 また、シャフトを締める際は、一度止まったあと軽くねじ込む感じで行う。手袋をした状態では滑って締め切れずにシャフトに緩みがでたりするので、必ず素手で行う。
キレットは山稜が深く切れ込んで低くなったところを指し、漢字では「切戸」と書く。さて、日本三大キレットの一つである「大キレット」の場所を次のなかから選びなさい。
- 南岳と北穂高岳の間
- 唐松岳と天狗の頭の間
- 鹿島槍ヶ岳と五竜岳の間
- 赤岳と旭岳の間
- 答えと解説
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- 南岳と北穂高岳の間
2万5千分の1地形図「穂高岳」図幅の北穂高小屋と南岳小屋のほぼ中間に「大切戸」と記載されている。また、日本三大キレットは、大キレットの他、唐松岳と天狗の頭の間にある不帰キレット と鹿島槍ヶ岳と五竜岳の間にある八峰キレットと言われている。
次の4つの文章は、山における雲の発生の仕方について述べたものである。次の1~4の説明のうち、 誤っているものをひとつ選びなさい。
- 富士山や利尻山など独立峰の方が、北アルプスや谷川連峰などの山脈よりも、上昇気流が強まりやすく、雲が発達しやすい。
- 平地では、低気圧や前線が近づくときに天気が悪化することが多いが、山ではそうしたものが接近しなくても海側から風が吹くだけで、風上側の山岳で天気が大きく崩れることがある。
- 平地ではー定の方向から、一定の速度の風が吹くだけでは上昇流が発生しにくいが、山ではそうした条件でも、山に沿って空気が上昇していくため、雲が発生することがある。
- 笠雲は、山によって強制的に上昇させられた空気が飽和して雲が発生し、山を越えて下降するときに、雲が蒸発することによって形成される。
- 答えと解説
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- 富士山や利尻山など独立峰の方が、北アルプスや谷川連峰などの山脈よりも、上昇気流が強まりやすく、雲が発達しやすい。
山では平地と異なり、風が吹くと山の斜面に沿って上昇気流が発生し、雲ができることがある。独立峰よりも山脈の方が広い面で上昇気流が発生するため、雲が発達しやすい。また、風が強いと、山脈をはさんで風上側と風下側の天気が大きく異なることが多い。
次の文章は、落雷を避けるための対策について述べたものである。次の1~4のうち正しいものを ひとつ選びなさい。
- 雷は高いものや尖ったものに落ちやすいので、大木があるときは、そのそばに避難するのが良い。
- 登山前日に見た翌日の予想天気図で、日本海から前線が南下してくることが予想されていたので、稜線を縦走する計画を変更した。
- 沢沿いのコースを歩いているときに、上流の方に黒い雲がかかっているのが見えたが、自分たちのいる場所では雨は降っていないので、特に対策は取らなかった。
- 積乱雲は必ず、上空の風に流されて進むので、風下側で積乱雲が発達しても、気に留める必要はない。
- 答えと解説
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- 登山前日に見た翌日の予想天気図で、日本海から前線が南下してくることが予想されていたので、稜線を縦走する計画を変更した。
落雷や沢の増水、土砂崩落などによる遭難事故は、日本海から前線が南下するときや、上層に寒気を伴った低気圧が接近するときに発生する。登山前に予想天気図を良く確認することが重要である。
国土地理院の2万5千分の1地形図の、地図上の1cmにあたる長さを次のなかから選びなさい。
- 2.5m
- 25m
- 250m
- 2500m
- 答えと解説
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- 250m
1cmに地図の縮尺の25000をかけると25000cmとなり、これをメートルに換算するには100cmで割ると 正解の250mが導かれる。なお、地形図の右下に記載されている縮尺スケールでも実距離を確認できる。
登山道を歩いていたら、具合が悪そうな様子で道端に座り込んでいる登山者がいた。その際の対処法として 最も適切なものを次のなかから選びなさい。
- 近くの山小屋まで行ってから、調子が悪そうな登山者がいたことを伝える。
- 相手から声をかけられなければそのまま通り過ぎる。
- 下山してから警察に連絡を入れ、調子が悪そうな登山者がいたことを伝える。
- 登山者に「どうかしましたか」などと声をかける。
- 答えと解説
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- 登山者に「どうかしましたか」などと声をかける。
ただ疲れているだけなのか、ほんとうに調子が悪いのか、見ただけではわからないので、直接その場で登山者に声をかけて様子を尋ねてみること。もしほんとうに調子が悪くて行動できないようなら、どうしてほしいのかを聞き出し、必要とあれば救助を要請する。その場では声をかけず、あとになって山小屋や警察に届け出るのは、不確かな情報を流すことであり、関係者を混乱させるだけだ。
山行計画の作成で登山道の状況を調べる手段として、最も信頼できる情報が得られるものを次のなかから選びなさい。
- 現地の山小屋や地元市町村へ問い合わせする。
- 登山地図やガイドブックを調べる。
- 以前に登山した友人の話を聞く。
- インターネットで公開されている山行記録を見る。
- 答えと解説
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- 現地の山小屋や地元市町村へ問い合わせする。
何れの選択肢も誤りとは言えないが、最新の情報を得るには、現地の機関に問い合わせするのがベストである。ガイドブックや登山地図も信頼度は高いが、情報が古くなっている可能性があるので確認が必要である。インターネットのブログなどで公開されている山行記録の中には、主観的な記述や事実誤認などにより正確さに欠けるものもあり、鵜呑みにするのは危険であり、参考程度にとどめることが大切である。同様に友人の話であっても古い情報の可能性も排除できない。
山行中に雷に遭遇したときは、近くの山小屋や避難小屋に逃げ込むのが最良の手段である。しかし、避難が間に合わずに屋外で対処せざるを得ないときの対応について正しい方法を選びなさい。
- 高い木(5m以上)の根元からその高さの半分以上の距離を保ち、低い姿勢をとる。
- 高い木(5m以上)の根元を背にして両足を開いて立つ。
- 立木のない開けた場所でツェルトなどをかぶって地面に腹ばいになる。
- ピッケルやストックを身から離し、大きな岩の陰などに身を隠す。
- 答えと解説
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- 高い木(5m以上)の根元からその高さの半分以上の距離を保ち、低い姿勢をとる。
雷に遭遇したら尖ったものを自分の体から遠ざけ、少しでも低いところに逃げる。樹林帯のなかに逃げ込みたくなるが、高い木に落ちた雷の電流は幹から枝先へと流れていき、そばにいた人間にまで伝わることが実験でも証明されている。そのため、両足を閉じてできるだけ身を小さくして屈み込んだ姿勢をとるのがよいとされる。
登山道を歩いていて、自分では正しいルートをたどっているつもりだったが、なんとなく様子がおかしいことに気がついた。このとき取ってはいけない行動を次のなかから選びなさい。
- 確実に迷ったわけではないので、もうちょっと様子を見るため先に進む。
- 「変だな」と思った時点ですぐにたどってきた道を引き返す。
- その場で地図やGPSで現在地を確認してみる。
- 小休止して水分を補給したり行動食を食べたりする。
- 答えと解説
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- 確実に迷ったわけではないので、もうちょっと様子を見るため先に進む。
「なにかおかしい。変だ」と感じながらも引き返せず、「もうちょっと行ってみよう」と先へ進んでいき、やがて進退窮まってしまうというのが道迷い遭難の典型的なパターン。こうしたケースでは「正しいルートであってほしい」という心理的なバイアスもかかるため、なおさら引き返せなくなってしまう。しかし、山で道に迷わないようにするためには、現在地を確認しながら行動し、「おかしい」と思ったらその時点で引き返すのが鉄則。引き返していけば、いずれ正しいルートに行き当たる。また、心を落ち着かせて冷静な判断を下せるようにするため、休憩をとって地図を見たり行動食を食べたりするのも効果的だ。
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